人の世界で暮らす犬「子犬の社会化」
「犬と一緒に何しよう?」 No.1 社会化編
― 子犬を迎えて、これからどんなふうに暮らそうか?
子犬を迎えて、これからワクワクドキドキの毎日が始まります!
今すぐ始められる、一生使えて生涯必要な社会化をすることを強くお勧めします。
犬には、生後3週齢から12週齢の間に社会化期があります。
社会化期の子犬は好奇心旺盛で興味のあることを受け入れられる
ココロの窓が大きく開いています。
犬どうしや人との生活で出会う沢山の事を受け入れる犬生最大のチャンスであり、
この時期の経験が、将来、どのような性格の犬になるのか、
どのように人と一緒に暮らしていくようになるのか、大きく左右されます。
「社会化」ってなに?
色々なものや状況に接することで、
これから生活して生きていく環境に慣れる事です。
社会化期は子犬の好奇心が犬生のうちもっとも沢山ある時期で、知らない犬や人、
初めて聞く音、初めて見るモノ、初めての場所や雰囲気の体験など、
これから先、人の世界で多く関わる事を体験して犬が受け入れていくことができる時期です
沢山の事を経験することは堂々としたココロをつくり、将来、攻撃性が出たり怖がりな性格にならないようにできるチャンスです。
そして、社会化は子犬の時だけに限らず、生涯継続して何度も行うことをお勧めします。
一度平気だったことも、成長や時間の経過とともにニガテになっていくケースや、
ニガテだったこともやり過ごせるようになることもあります。
社会化期が過ぎると どうなるの?
生後4ヶ月を過ぎる頃から、好奇心よりも 知らないモノなどに対する
警戒心のココロの窓が大きく開いてくる時期になります。
社会化期に何もしないと、色々な事に慣れるのが難しくなり、怖がりな犬になる可能性が高くなります。
人が気にならないような事も、犬にとっては大きく恐怖を感じるようになります。
見たことがない動物や物や状況には警戒するよう、脳が指令を出すようになるためです。
社会化期を過ぎても社会化は生涯続けることをお勧めします。
社会化が出来たら 将来お得?
ココロに余裕がある犬になれば、周囲のものを怖がらなくなり、落ちつきや柔軟性がある資質を伸ばす事ができ、恐怖心から出る攻撃性、吠えなどの問題行動などがぐっと減ります。
安心して犬と一緒に暮らせることや出かける機会が増えて、色々な人や犬と仲良く、楽しく過ごせたら嬉しいですよね!
どこで社会化するの?
もちろん日常の飼い主さんとの生活の中で、社会化できます。
ワクチンプログラムが終わってからでは、犬生のうち一度しかない社会化期が
終わってしまうことがあります。
子犬を迎えたら今すぐ抱っこでの散歩をして、
一刻も早く世の中の様子を見たり聞いたり感じたりして体験させてあげてください。
(ワクチンプログラムが終わるまでの他の犬や人との接触は獣医師の指導に従って下さい。)
何をするの?
体のどこを触られても平気な練習
毎回散歩から帰ってきて、家に入る時に足を洗ったり、拭いたりしても犬は怒りませんか?
獣医師の診察、トリミング、ホームケア(歯磨き、ブラッシング等)の時に体のどこを触っても大丈夫ですか?
体に触られることが平気でいられれば、家族も犬も心配なく動物病院でもしっかり診察してもらえますし、
暴れることなくトリミングやシャンプーができれば、犬もトリマーさんもご家族の心配も負担がなく済みます。
また、ご家庭で毎日の足ふきや歯磨き、耳そうじ等がしっかりできれば健康状態も良好に保つことができます。
色々な音に馴れる練習
バイク、宅配便の車の音、騒がしい車道、工事の音や様子、サイレン、他の犬の鳴き声など聞いても吠えたりしませんか?
掃除機やドライヤー、ドアのチャイムや鍵を開ける音、TVからの音声、子供が騒いでいる声や足音など、ハイヒールの音、
世の中は、色々な音に溢れています。いちいち気にして吠えたり怖がるるよりも、気にならないように慣れさせた方が、
犬生を通じてどれだけ落ち着いて過ごせるか、図りしれません。
吠えの問題はとても多くの方が抱えています。吠えるようになってから対処する練習をするよりも、
吠える芽を出さない予防の練習をした方がどれだけ楽か、ぜひ、パピーレッスンを通じて実感してみて下さい!
色々なモノや状況体験する練習
突然走り過ぎる自転車、後ろから追い抜いていく人や犬や自動車、傘を開く時、風に舞ってくる木の葉やビニール袋にびっくりしませんか?
昼間は見ても平気だったものが、同じものを夜見ると驚いたり警戒していませんか?
他にも書ききれない位ほど多く練習があります。
色々な人に会う練習
老若男女、工事をしている人、傘をさした人、杖をついた人、大声で井戸端会議している人、スーツを着ている人、
集団でジョギングなどをしている人達や、制服姿の人、走り回っている子供、鉄棒をしている人や体操している人、
沢山の姿勢や格好、持ち物を持っている人達に会わせて、人は怖くない! と平気なココロを養うことをお勧めします。
子犬に沢山話しかけて下さい
会話の内容は理解できなくても、家族や他の人の優しい口調や問いかけをすることによって、
これから先、褒められていることや注意をされている声のトーンなどが通じやすくなります。
ところで、、、
子犬の社会化をすれば、一生安泰なのでしょうか?
それは、保証されていません。
なぜなら、社会化期が終わった後7ヶ月齢を過ぎるころから思春期が始まり、今までできていたことができなくなったり、思いがけない行動をしたりします。この時期、犬達はカラダが大人になってきてココロが大人の階段を登っているのと同時に、 家族が育犬ノイローゼにかかったりします。
社会化期が終わっても引き続き社会化をすることによって、色々な経験の元、気持ちの安定した犬になれるのです。